中高校生が第一線の研究者を訪問
「これから研究の話をしよう」

第9回
ウイルスの一生を視る

第1章 レクチャーの前に

南保
長崎大学感染症共同研究拠点の南保明日香と申します。よろしくお願いします。
一同
よろしくお願いします。
南保
これからスライドを使って「ウイルスの一生を視る」というテーマでお話ししますが、まず皆さんのお名前を教えてください。
八幡
2年生の八幡紗矢と申します。得意な教科は理科で、生物が一番好きなので、今日の訪問でウイルスや感染症についていろいろ伺えることをすごく楽しみにしています。
松竹
1年の松竹絢音と申します。好きな科目は英語です。将来のことはまだ決めていませんが、人の役に立てるようなことや、英語も生かしたいと思っていて、今回のことが将来の参考になればと思います。
宮上
1年の宮上陽向と申します。好きな教科は数学で、薬剤師になりたいと思っています。今回はウイルス関係の話が聞けるということで楽しみにしてきました。
南保
研究テーマについてお話しする前に、私も自己紹介しましょう。なぜ研究者になったのか、小さい頃から今に至るまでをまずお話ししたいと思います。
私の両親は薬剤師でした。父は企業の研究者で、母は私が物心ついた時には調剤薬局を営んでいました。2人とも、身近な自然現象を例として謎を明らかにする面白さに気付かせてくれたんですね。自宅が調剤薬局だったので、バーナーやフラスコなど簡単な実験器具のようなものがあり、そういうのを使って夏休みに実験したりしていました。これについては本当に両親に感謝しています。
 
私も八幡さんと同じで生物、特に動物がすごく好きでした。将来の夢を文集などに書く時、獣医さんや研究者になりたいと書いていたこともありました。それと、恐竜もすごく好きで、恐竜の研究者になりたいと思っていた時期もあります。今でも恐竜は大好きです!
高校時代の得意科目は生物と英語。本も好きだったので文系に行くんだったら英文科と考えたんですけど、生物の先生がすごく好きだったこともあって、やはり理系に進もうと決めました。具体的には動物の生態学や行動学、あるいは当時、環境問題がクローズアップされ始めていて、これにも興味がありました。ただ、その頃はまだエコロジーや環境問題に特化した学科がなくて……、私、古い人間でしょ。
一同
(笑)
南保
その後、北大の理Ⅲ系に進学し、いろいろ考えた末、母の洗脳もあったのかな、薬学部に移行。北大の薬学部は基礎研究が盛んで、研究の面白さに目覚めました。もともと研究者志向だったこともあり、迷うことなくその道に進むことになりました。 就職活動もまったくしないで、怖いもの知らずだとよく言われるんですけど、そのまま薬学で博士号を取得。その時はウイルスではなく、「細菌内毒素に結合する血中タンパク質の生化学的解析」というテーマで研究していたんですね。それで、北大の遺伝子病制御研究所でポスドクと助手をやり、その後、アメリカのウィスコンシン大学でアシスタントサイエンティスト(研究員)というポストで5年間、研究留学しました。
その後、古巣の北大薬学部で講師のポストを得ることができ、医学研究院での准教授を経て、今年の3月に長崎大学の感染症共同研究拠点で教授職を拝命しました。