中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

生命科学なんでも質問箱 生命科学のみんなの疑問に答えるコーナーだよ!

  • 新型インフルエンザウイルスで騒がれているウイルスってなんですか?

細菌よりももっと小さくて、肉眼では見えない

ウイルスは、とても小さくて、肉眼ではもちろんのこと、光学顕微鏡でも見ることができず、電子顕微鏡を使ってやっと見ることができる。
ウイルスと似たものに細菌(バクテリア)がある。小さな生物の代表選手といわれていて、哺乳類の腸の中にいる大腸菌などもその一種だ。その細菌よりウイルスは小さいんだ。
ウイルスと細菌の主な違いは次のとおり。

  ウイルス 細菌
増殖するとき ヒト、動植物、細菌などほかの生物の細胞の中で増える 自分だけで増える
大きさ 非常に小さく、電子顕微鏡でのみ見える 普通は、ウイルスの何十倍・何百倍の大きさで、光学顕微鏡や肉眼で見える
構造 遺伝情報を伝えるために必要なDNA、RNAのいずれかと、タンパク質の殻しかない 遺伝情報のほかに、リボソームや細胞壁などの生物としての細胞構造を持っている
主な病気 天然痘、麻疹(はしか)、インフルエンザ、HIV(エイズ)など 破傷風、結核、腸管出血性大腸菌(O157)感染症など
抗生物質の効果 効かない 効果が期待できる

ウイルスの種類

ウイルスには、天然痘ウイルス、麻疹(はしか)ウイルス、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、HIV(エイズ)ウイルスなどがある。

ヒトや動植物の細胞を借りて増えていく

ウイルスの特徴は自分だけでは増えることができないことだ。生物が増えるためには、2つに分裂したり、子どもをつくったりする必要があるが、ウイルスにはそうした能力がなくて、ヒトや動植物の細胞の中に入り込んで、その細胞を宿主として増えていくんだ。ずいぶんちゃっかりしたヤツだ。
しかも、細胞を借りただけでおとなしくしていれば、そんなに問題はないのだけれど、ウイルスが始末に負えないのは、ヒトなどの細胞に入り込んで、健康な細胞を次から次へと破壊してしまうことだ!
このように、ウイルスが動植物の細胞に入りこむことを感染という。

ウイルスの形

ウイルスの形はその種類によってさまざま。多くのウイルスに共通するのが、自分を複製する遺伝子をタンパク質で包んだシンプルな形であること。ただし、複製するためには、通常、遺伝情報を伝えるDNAかRNAの両方を持っていなければならないのだが、ウイルスは、そのどちらかひとつだけしか持っていない。このため、両方持っている生物の細胞を宿主にして増えていくわけなんだ。
ウイルスの表面にタンパク質のスパイクのようなもの(エンベロープという)を持つものと持たないものがある。インフルエンザウイルスは、このタンパク質のスパイクがあり、スパイクの形に合った細胞のカギ穴を見つけてこじ開け、その細胞の中に入り込んでしまうんだ(図参照)。

インフルエンザウイルスの形

ウイルスの変異

インフルエンザウイルスの増殖するスピードは実にはやく、その過程で、性質が変わってしまうことがある(=変異)。このため、予防接種のワクチンは、毎年、その年に流行するインフルエンザを予測してつくられるんだ。

新型インフルエンザウイルス

新型インフルエンザウイルスは、トリやブタなどヒト以外の動物がかかったインフルエンザウイルスが、新たにヒトからヒトに伝染する能力をもったもの。これまでのワクチンがきかず、大流行の危険性が指摘されている。

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