中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

生命科学なんでも質問箱 生命科学のみんなの疑問に答えるコーナーだよ!

  • 今現在、微生物の力は1%しかわかっていないようですが、その1%には例えばどんな力があるのですか? アレルギーを抑える力とか、地下水や土壌汚染を止める力とか・・・

微生物の種類

まず、微生物には大きく分けて4つの種類があります。

(1)高等微生物
コケなどの地衣類、カビやキノコのカビ類、アメーバなどの原生動物、クロレラなどの藻類などで、動物や植物と同じく、ひとつひとつの細胞の中に「核」と呼ばれる遺伝子を持っています。

(2)下等微生物
酸素を生産する最も簡単な微生物であるラン藻類と一般に細菌と呼ばれるものが含まれます。

(3)ウィルス
これは本当に小さい生き物で、普通の顕微鏡では見ることができず、電子顕微鏡を用いて見ることができます。ウィルス自身の中には生きていくために必要なものをすべて持っているわけではないことから、動植物、微生物の細胞に取りつき、その中にある働きを自分の遺伝子の中に組み込みます。

(4)古細菌
古くから生きてきた細菌という意味を込めて付けられた名前ですが、今では細菌の仲間ではないことがわかったので、アーキアという特別な名前をついています。シーラカンスやセコイアのように生きた化石です。

古細菌は地球に生命が生まれてからかなり早い時期から地球上のほかの生命とは違う進化の道をたどり、外観は普通の細菌とあまり変わりませんが、遺伝子を利用する仕組みや、体の成分を作る方法は、細菌というより動物や植物と似ています。さらに、細胞の皮である細胞質膜と呼ばれる膜は、ほかのどの生物とも似ていません。とてもユニークな生物ですね。そして、住んでいるところも、温泉のようなとても熱い環境や、鉄でさえも溶かしてしまうような極端な酸性やアルカリ性などの環境です。100度以上の温度を好む超好熱菌は古細菌の仲間です。

微生物の活用例

さて、微生物の活用については一部ですが、以下のようなものがあります。

人間はそれと気付かず古くから、微生物の働きを利用してきました。 たとえば食品では、発酵食品(酒・ビール・味噌・醤油)や食品や化学製品の成分(アルコール・有機酸・アミノ酸)の製造に用いられています。また、農業の分野でも、土壌の肥沃化・窒素固定(空気中にふんだんにある利用不可能な窒素を利用可能な硝酸にする)を盛んに行っています。

確実にわかっているところでは、紀元前3000年、メソポタミア地方に住んでいたバビロニア人がビールを作っていたことが知られており、旧約聖書の「創世期」の中にすでにワインに関する記述があります。それは酵母という目に見えない微生物が働いています。

その他に、石油を分解する細菌、遺伝子組換え時の遺伝子を与える微生物(窒素固定菌等)と遺伝子を運ぶベクター(DNA:微生物のプラスミドと呼ぶDNA等)及び遺伝子を受け取る微生物(大腸菌等)がありまあす。

さらに琉球大学の比嘉照夫教授が開発した、有用微生物群(EM)を活用した技術があります。これは乳酸菌、酵母、光合成細菌、糸状菌、放射菌を集め、培養した複合共生剤で、農地土壌改良から、畜産(糞尿の堆肥化、悪臭 除去等)、水処理(家庭排水浄化等)、リサイクル(生ごみの堆肥化等)、医療(予防・代替医療等)に応用されています。

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