中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

生命科学なんでも質問箱 生命科学のみんなの疑問に答えるコーナーだよ!

  • 神経の再生についての研究はどのくらい進んでいるのですか。神経が修復できるといい面が多いとおもいますが。

人工神経の研究は臨床応用には至っていないが、着々と成果が

事故などで手足の末梢神経が損傷した時、再縫合手術により神経が再度繋がることはよく聞きますが、これは切断された神経線維が再生されて、元の支配筋や知覚受容体に結合したことによるものです。こういった再生が可能なのは比較的軽度の場合で、大きな損傷では他の部位から神経を取り出し欠損部位に移植することも行われていますが、合併症も多いのです。

そこで人工神経の研究も行われており、ポリグルコール酸チュ−ブやそれにアテロコラーゲンをコーティングしたもの、キトサン等が研究されていますが、臨床応用までは至っていません。

近年、米国の会社がヒトES細胞から誘導した、ミエリン形成能をもつ神経系前駆細胞(GRNOPCI)を用いた脊髄損傷を対象とした治験が開始されました。また、慶應大学医学部の岡野栄之先生らはES細胞、iPS細胞を用いて脊髄損傷での再生医療の研究を行っており、脊髄損傷モデルマウスで歩行可能なレベルまで回復することに成功し、またサル脊髄損傷モデルも確立し、それらを用いてヒト胎児由来神経幹細胞移植試験などを行っています。iPS細胞はまだ安全性の面で検討課題(細胞の腫瘍化等)も多く、今後の研究成果に期待したいところです。

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