中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

生命科学なんでも質問箱 生命科学のみんなの疑問に答えるコーナーだよ!

  • 生命維持装置を利用するとどのくらい費用がかかりますか。
    また、参考になる詳しい資料があれば教えてください。

生命維持装置の費用だけでの判断はむずかしい

質問を「終末期延命治療にどのくらい費用がかかるか」と理解すると、生命維持装置の費用のみではおさまらなくなります。また施設により、患者の状態により、治療内容やコストが変化してくるでしょう。月に数万円程度から100万程度の請求がなされる場合もあるようです。それくらい幅があるものと思います。

社団法人日本医師会が2007年7月に発表した「後期高齢者の死亡前入院医療費の調査・分析」によると、死亡前1か月の平均医療費は112万円とのレポートがあります。

人工呼吸器、人工心臓、人工透析器の診療報酬は

一方、生命維持装置についてですが、生命維持装置として代表的なものに、人工呼吸器、人工心臓、人工透析器があります。 参考としてこれらの装置類を使用して治療する場合の、日本における診療報酬を調べてみました。

※診療報酬とは、健康保険で行われる診療について、医療機関や薬局が受け取る報酬を指します。それらの報酬には、医師や看護師、その他の医療従事者の医療行為に対する対価である技術料、処置料、薬剤師の調剤行為に対する調剤技術料、処方された薬剤の薬剤費、使用された医療材料費、医療行為に伴って行われた検査費用などが含まれます。保険診療では患者はこの一部を窓口で支払い、残りは健康保険(公的医療保険)で支払われます。

以下に、先に記した3種類の装置を保険診療で使用した場合の診療報酬の一例を記載します。診療報酬は「○点」と表現されています。1点は10円です。 なお、これらの点数には、関連する機材、薬剤、処置の費用が含まれるか否か、その取扱が個々に決められています。また、特殊な患者の場合、点数加算が行われる場合もあります。さらに在宅治療では異なる取扱いとなっています。

■人工呼吸器
[処置料] 間歇的陽圧吸入法 160点(1日につき)
[医療材料価格] 上記処置点数などに含む。

■補助人工心臓セット
[手技料] 体外型(1日につき) 初日30,000点、2日以降30日まで 5000点、31日以降4,000点
埋込型 初日30,000点、2日以降30日まで 5000点、31日以降90日まで4,000点(以上、1日につき)、91日目以降6000点(1月につき)
[医療材料価格] 体外型 3,150,000円 、埋込型 13,900,000円

■人工透析器
[手技料](1日につき) 4時間未満 2,117点、4-5時間 2,267点、5時間以上 2,397点
[医療材料価格]  ダイアライザー(1本) 1,320円〜2,020円

※2010年11月現在 診療報酬は定期的に改正が行われています。
※これらの費用のみで、生命維持装置を用いた治療全体ができるわけではありませんのでご注意ください。
※診療報酬については、書籍もありますし、ネット検索で情報が掲載されているサイトもいくつかあります(例「しろぼんねっと」)。

一方、延命医療とコストに関する調査データ等のエビデンスは、最近の適切な資料を探すことができませんでしたが、「延命治療、費用」「終末期医療費」などで検索すると、さまざまな個別事例や試算など、多くの投稿があります。
(update:2011.4.27)

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