フクロウ博士の森の教室「からだを復元させる医療の話」 第11回 重症の心不全の患者さんを細胞シートで治療 大阪大学大学院医学系研究科 外科学講座心臓血管外科学 澤 芳樹教授インタビュー 心臓病の患者さんを再生医療で救いたい。心臓外科医を天職と信じて臨床と研究に打ち込む。

一生をかけるに価する仕事を探すことが大切

───先生が治療でモットーにしていることがありますか。

これは大阪大学病院の特徴にもなっていますが、患者さんを絶対断らない、私たちは重症の患者さんを診ることを使命だと思っているんです。ほかの病院では治療を受けられないような患者さんでもあきらめずに治療をする精神が流れています。
それと、立場的には将来、世の中で活躍する人をたくさん育てたいな。

───中高校生に澤先生からメッセージをいただけますか。

夢を持つこと、そしてその夢を実現するために努力を惜しまないことかな。
とくに自分が一生をかけたいと思うような価値のある仕事を見つけることが大事だと思います。私は今の心臓外科医の仕事が天職だと思っている。だから、朝から夜中まで心臓のことを考え、仕事をしていても苦にならないんです。もちろん、体力的にはきつい部分もあるけれど、精神的には元気いっぱいというところかな。
私の経験でいうと、皆さんも、夢をばくぜんと持つというより、人生をかけることができる仕事に夢を託すといいと思う。

───若い時にしておくといいことってなんですか。

そうだね、体力をつけておくことかな。
それと、勉強やスポーツを通じて、自分をコントロールできる力を身につけておくこと。自分で自分の気持のバランスをとったり、前に進めさせたり、引かせたりできれば、とても強い人間になれると思いますね。

(2011年4月13日取材)

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