フクロウ博士の森の教室「からだを復元させる医療の話」 第12回 神経幹細胞の発現に関係する遺伝子「MUSASHI」を発見! 慶應義塾大学医学部生理学教室 岡野 栄之 教授 インタビュー 中枢神経系の発生と再生の研究を通じて臨床の現場に活かしたい。

国際的な場でディスカッションできる英語力を身につけよう

───西田先生は、なぜ、眼科専門の外科医療の研究に進んだのですか。

一般的に外科というと病変部分を取り去って治療する場合が多いでしょう。けれども、眼科の外科治療は、同じ外科でも病変部位を切除するよりは、機能を回復させるための手術を行うのが主体で、そこに魅力を感じましたね。

───臨床医であると同時に研究分野に進まれた理由は?

大学に入学したときには、患者さんを治してあげられる臨床医を目指していましたが、学部を卒業してから、研究には臨床では得られないおもしろさがあることを発見したんです。臨床にはない独創性、オリジナリティが求められ、研究の過程で病気の原因や解決策を見いだすことにわくわくするやり甲斐を覚えました。そして、実際に研究者としてもやっていくと、患者さんを診るうえでも、臨床だけをやっていた時よりずっと深い視点を持つことができることに気づきました。自分の研究が患者さんの治療に実際に役立っていくわけですから、臨床の現場にいる人も、環境が許せば研究活動を経験したらいいのではないかと思っています。

───最後に中高校生にメッセージをいただけますか。

これからはますます国際化が進むと思います。幅広い教養と、外国人と研究についてディスカッションできる英語力を身につけてほしいですね。大人になってから英語を話すよりも、もっと柔軟に言語を習得できる若いときから勉強した方がいいと思います。
それと、今はインターネットが普及して、そこから情報を収集しておしまい、という人も多いけれど、フェイス・ツー・フェイスで話をすることが大切だと思います。

(2011年10月5日取材)

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