フクロウ博士の森の教室「からだを復元させる医療の話」 第14回骨髄幹細胞による治療のメリットは? 札幌医科大学 医学部附属フロンティア医学研究所 本望 修教授インタビュー

広く日本や世界に目を向けてほしいう

───本望先生はなぜ生命科学の研究者になったのですか。

高校生の頃、身近な人ががんで亡くなったことなどもあり、がんを退治したい、がんの治療に携わる医者になりたいと考えるようになりました。そこでがんばって勉強して医学部に入学できました。
大学を卒業して進路を決めるときは、ある程度解明されてきたがんの分野ではなく、脳神経関係の臨床をやろうと脳神経外科を選びました。しかし、臨床現場で過ごすうち、薬剤や外科治療の限界を感じてしまったのです。脳神経分野はまだまだブラックボックスが多いことから、研究者になる決心をして最新の知見を吸収しようと米国に留学もしました。ただ、私の原点は「医者は患者さんを治してなんぼのもの」というところにあります。臨床現場のニーズを研究にフィードバックし、その研究をまた臨床に役立てたいというのが、私の変わらないスタンスです。。

───これから生命科学分野の研究者や医師になろうと考えている若い人にアドバイスをお願いいたします。

いまの学生を見ていると、ひとことで言うとこじんまりまとまりすぎていると思います。早く卒業して、1年でも早く一人前になりたいという学生が多い。でも、医者はいろいろな経験や知識が必要な仕事です。医者としての臨床経験、研究者として医学の知識を身につけること、その両方をやらないと幅広い見識を持った医者にも研究者にもなれないと思います。
特に最近、サイエンスに目を向ける学生が少ないことが残念です。医者は、常に勝てるとは限らない仕事です。つまり、どんなに最新の医学を駆使しても、必ず患者さんを完治させられるとは限りません。その意味では負けることもある。でも、どのように負けるかはとても大事なことなのです。負けたとき、患者さんを治せなかったとき、どうしたら明日勝てるか、患者さんを治せるようになれるかを考え、挑戦していくことが大切だと思います。

───中学、高校生に今やっておいてほしいことがありますか。

中学・高校生にはたくさんの可能性があります。ただ、授業の科目を杓子定規に覚えるテクニックだけを身につけていくと、その可能性を閉ざしてしまうことになる。そうならないためには、大学の先生や社会に出て働いたり研究している人と直接話をしたり、刺激を受けて、日本や世界全体に目を向けていくことが大切だと思いますよ。

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