フクロウ博士の森の教室「からだを復元させる医療の話」 第17回 歯ナシを防ぐ話〜歯周組織の再生 東京女子医科大学先端生命医科学研究所 特任講師 岩田 隆紀 教授 インタビュー

異分野の人との交流で、新たな視点が獲得できる

───岩田先生の研究生活で転機になったことがあったらお聞かせください。

大学院のとき、4年間の研究生活で初めの2年間はまったく研究データが出なくて非常に辛い時期がありました。でも、投げ出さないで、自分の研究を徹底的に見直してみたんです。そうしてがんばっていくうちに、不思議なもので研究データが出はじめてきました。
そうして積み重ねた研究データを、私が東京女子医大に移ってしまってからも、前の大学の後輩が研究を引き継いで発展してくれたのは嬉しかったですね。

───東京女子医大の先端生命医科学研究所に移られて感じたことは?

この研究所では、早稲田大学の理工学部と共同で医療機器の開発を行うなど、医工連携で研究を進めています。そのために、さまざまな分野の研究者と交流する機会が多く、医学部だけ、歯学部だけで研究活動するよりも幅広い視点からモノを考えることができるのが魅力です。私もこの研究所に来て、医学、理工学、生物学などの研究者と出会い、自分の知らない世界が見えてきましたね。

───最後に中高校生にメッセージをお願いします。

たとえば、高校生のときから必ず医者になるのだと決めているような人以外、自分の人生の選択を決定することは意外に難しいと思います。自分の進路決定に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
でも、将来どんな学部に進んでも、またどんな仕事に就いたとしても、やりがいのあることは必ず見つかると思います。置かれた環境の中で、とにかく頑張ってみることが必要だと痛感しますね。ある先生から「なにごとも1万時間くらいやり続けるといろいろなものが見えてくる」とアドバイスをいただいたことがあり、3~4年間とにかく一生懸命一つのことに取り組んでみることを勧めます。

(2012年6月22日取材)

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