この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」

人間の内面を考えたくて医学部に入学

───高校時代の思い出は何かありますか。

私が通った福岡の久留米大学附設高校は、個性的な人材を輩出している高校でした。文化祭や体育祭なども、1年から3年まで、クラス対抗でコンペティションをするんです。体育祭は各種陸上競技と球技があって、総合点で順位を決める。1年生のクラスが3年生のクラスを押しのけて優勝したりして、まるで下剋上の世界です(笑)。球技が得意でしたから、バレーボールやハンドボールの試合になると駆り出されました。
その高校の緒方道彦校長先生は尊敬できる方で、エベレスト登山隊に医師として参加した話など、学期の初めなどにいろいろ面白い話をしてくださるんです。普通、校長先生の話などはあまり聞かないものですが、緒方先生の話はみんな楽しみにしていましたね。そのことがとても印象に残っています。

高校時代もサッカー部で活躍(後列右から3人目)

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高校時代もサッカー部で活躍(後列右から3人目)

───そのころから生物学への興味などがあったのですか。

それが授業としては、生物はそれほど好きではなく、むしろ物理、化学のほうが好きでしたね。
国語の現代文などは、成績は悪くはなかったけれど、言葉を自分の外に出したときに制御できないような気がして、苦手意識を持っていました。だから、書くそばからすぐ消したくなってしまう(笑)。大学に入ってワープロやパソコンが使えるようになって、やっと安心して言葉を外に出せるようになりました(笑)。

───医学部に進学しようと思ったのは、どんな動機からなのでしょう。

小学生のころから「人間」とは何か、「自分」とは何かということに興味を持っていました。人間や自己の内面について学ぶにはヒトを対象とする医学部がよいと考えました。いろいろな人に巡り合える機会があるのはやはり東京かなと思いまして、東大の医学部を選びました。そこで受験前に緒方先生にお願いして東大医学部の先生を紹介していただきました。緒方先生はご自身も九州大学医学部の名誉教授で生理学を専門にされていたので、関連の深い東大医学部の薬理学教室の野々村禎昭先先生を紹介してくださいました。あれから20年ほどたった今、自分が東大医学部の薬理学教室の教授としているのは、不思議な気がします。

高校では生徒会長を務めた(後列中央)

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高校では生徒会長を務めた(後列中央)

シアトルでホームステイ

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