中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

カイコガのニューロンのデータベースをつくる

脳の拡大図だよ!

左右の黒い部分が複眼にあたる。大きさは2mmほどしかない。

カイコガの脳の大きさは約2mm、そこにおよそ10万個のニューロンが集まっている。このうち匂いの探索に関係する脳の主要な部分のニューロンは約1万個なので、神﨑研究室では、そのひとつひとつの形とはたらきを特定してデータベースにする作業を進めている。これまでに約1200個のニューロンが登録されたところだという。
「ニューロンの働きを探求する作業は、ちょうどジグソーパズルのピースを丹念に探し出す作業のようなものです」と神﨑先生は言う。ピースが見つかったら、今度は、そのピースを使ってパズルを組み立てる。つまり実際の昆虫をモデルとして、同じようにふるまうロボットをつくる。これによって、昆虫の脳の秘密に肉薄することができるというわけだ。
「2011年には、世界最速のスーパー・コンピューター(ペタコン)を使って昆虫の脳のモデルをリアルタイムで動かそうと計画中です。こんな大規模な神経回路を動かすのは世界でも初めてのことです」
また、このデータベースの一部は、中高生にも昆虫の脳や行動について知ってもらおうと、中高の先生と協力して、理化学研究所に作成中とのことだ。

昆虫の神経系は3つのパーツに分かれる!

昆虫の神経系。昆虫は頭、胸、腹からできているが、それぞれ脳、胸部神経節、腹部神経節をもっている。脳はニューロンからできているが、ヒトの脳もおなじニューロンからなり、違いはない。

昆虫の脳はたくさんのニューロンからできている。

昆虫の脳はたくさんのニューロンからできている。ひとつひとつのニューロンのかたちやはたらきを明らかにして、データベース化していく。

ニューロンのデータベース約1200個が登録されたんだって!

脳をジグゾーパズルにたとえると、ひとつひとつのニューロンは、パズルのピースにあたる。昆虫の脳をつくるニューロン、つまりピースをどんどんと集めて、ニューロンのデータベース化に取り組んでいる。このデータベースから神経回路を再構築して、脳を理解する。

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