中高校生が第一線の研究者を訪問
「これから研究の話をしよう」
第2回
顕微鏡の専門家が
分子モーターから紐解く生物物理学
学習院大学
理学部物理学科
西坂崇之教授
横浜サイエンス
フロンティア高等学校
自然科学部
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高原 桜
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長野 陸
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須藤 真敬
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日向 貴輝
動物であれ植物であれ微生物であれ、生物は活動するためにエネルギーを使っている。ではそのエネルギーはどのように使用されているのだろうか?
生物にはエネルギーを動きに変換する「分子モーター」と呼ばれる機構が備わっており、この分子モーターの働きによって細胞内での物質輸送や細胞の移動・変形などが行われている。しかしながら、分子モーターはタンパク質でできており、非常に小さいため、実際どのような仕組みで働いているのかは長らくわかっていなかった。
学習院大学の西坂崇之教授は、独自に開発した特殊な顕微鏡を用いて、1個の分子が生み出す動きと化学反応を画像化する研究で大きな成果を上げてきた。学生時代から『Nature』などの世界的な雑誌に論文を発表してきたという。科学者を目指す横浜サイエンスフロンティアの生徒たちは、先生の研究内容のみならず、研究者としての考え方にも興味を持つ。将来を担う研究者の卵と、最先端を切り開いている研究者との対談から、未来の科学界を想像してみたい。
(取材日:2017年8月25日)
INDEX
PROFILE
学習院大学 理学部物理学科 教授
西坂 崇之(にしざか たかゆき)
東京都で生まれ、幼少期をブラジルで過ごす。早稲田大学理工学部を卒業後、同大学院理工学研究科にて博士(理学)の学位を取得。学術振興会特別研究員、情報通信研究機構研究員などを経て、学習院大学へ移り現職へ至る。自ら発明したユニークな光学顕微鏡を駆使し、生体分子や微生物の奇妙な動きを解き明かす新しい研究を展開している。第4回日本学術振興会賞受賞。