公益財団法人テルモ生命科学振興財団

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中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

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中高校生が第一線の研究者を訪問
「これから研究の話をしよう」

第2回
顕微鏡の専門家が
分子モーターから紐解く生物物理学

第1章 高校生からの研究紹介――こうじ菌やキチン分解菌をテーマに

横浜サイエンスフロンティア高等学校は、先端科学を活用した生徒の育成を教育方針に掲げている。中でも特徴的なのがサイエンス・リテラシーの授業であり、課題探求型のカリキュラムが組まれている。さらには最先端解析機器を備えた実験室もあり、ここで生徒は最先端の科学に実際に触れながら、研究を行うことができる。
今回の対談には4人の1年次生徒が参加した。それぞれ既に研究に取り組み始めているのだという。どのような研究を行っているのだろうか?

高原
高原桜といいます。私は今、グループ研究でこうじ菌と他の菌との認識の差、例えば異なる方向から伸びてきた菌糸同士が乗り越えたりとか、退け合ったりとかする現象を研究しています。興味のある分野は、医学分野のがん細胞についてです。よろしくお願いします。
医学分野に興味があります

高原桜(たかはら・さくら)さん 高1

麹菌の基底菌糸同士が伸びてきた様子を観察した写真(自然科学部より提供)

長野
長野陸です。今は高原さんと同じこうじ菌の研究をしていて、同じ菌を同じ懸濁液に入れて、同じ場所に植菌したら、どういう反応が起こるのかという研究も同時進行しています。今、興味のある分野は生化学ですかね。特に藻類とか、ミドリムシにすっごい興味を持っています。
今興味があるのは、藻類やミドリムシです

長野陸(ながの・りく)くん 高1

須藤
同じく1年次の須藤政孝です。キチン*分解菌について研究を行っていて。ちょうどキチン分解菌を自然から取り出して、培地に埋めるっていう作業を行っています。興味のある分野は細胞生物学で、細胞の仕組みを理解することが楽しいです。
*キチン: N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)で構成された直鎖状の高分子であり、節足動物などの外骨格や、キノコの細胞壁の構成成分として存在している。カニやエビなどの外骨格をイメージするとわかりやすい。
キチン分解菌を研究中。細胞の仕組みを理解することが楽しい

須藤真敬(すとう・まさたか)くん 高1

日向
同じく1年次の日向貴輝です。須藤くんと同じで、キチン分解菌について研究しています。興味のある分野はまだ絞り切れてなくて、しいていうなら物理があんまり得意じゃないんで、そっち系に入ってきちゃうとちょっと理解できないっていうか・・・。
興味のある分野はまだ絞り切れていません

日向貴輝(ひなた・たかき)くん 高1

西坂
皆さん素晴らしいですね。私は物理から経歴をスタートしているんです。応用物理学科というところに入ったんですけれど、生物へのロマンが捨てきれなくて、最終的に物理を使って、生物を理解できるっていう学問を見つけました。生物の王道ではないけれど、物理の側から生物にアプローチしよう、そんな感じで、研究を進めています。

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