この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」第21回 哺乳類の初期発生の謎に、独自のアプローチで迫りたい。基礎生物学研究所 初期発生研究部門 教授 総合研究大学院大学 生命科学研究科 基礎生物学専攻 教授 藤森 俊彦

この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」 第21回 哺乳類の初期発生の謎に、独自のアプローチで迫りたい。基礎生物学研究所 初期発生研究部門 教授 総合研究大学院大学 生命科学研究科 基礎生物学専攻 教授 藤森 俊彦

Profile

藤森 俊彦(ふじもり・としひこ)
1965年長野県生まれ。89年京都大学 理学部卒業。94年京都大学大学院 理学研究科博士後期課程修了。95年米国ハーバード大学研究員、97年大阪大学 細胞生体工学センター助手、98年京都大学大学院 医学研究科助手。2006年理化学研究所 発生・再生科学総合センター客員研究員(併任)を経て、2008年より大学共同利用機関法人自然科学研究機構 基礎生物研究所教授。総合研究大学院大学 生命科学研究科基礎生物学専攻教授。

profile
長野県の飯田で地蜂捕りに夢中になるやんちゃな少年時代を過ごした藤森先生は、工作大好き少年でもあった。大学時代に北海道の海辺で生物の形の不思議さに感動して「生命の形をつくる法則を探したい」と生命科学への道を進んだ。少年時代に培った、ものづくりの精神と生命科学とを結び付け、哺乳類の体軸発生の謎に迫る研究に取り組んでいる。

地蜂捕りが大好きなやんちゃ坊主

───子ども時代のことを聞かせてください。

長野県の飯田市で生まれ育ちました。住まいは市街地にありましたが、山まで歩いて1時間くらいのところで、山で遊んだ記憶もあります。冬になると田んぼがスケートリンクで、小学校低学年ごろには自分のスケート靴で滑っていました。夏休みにはおじいさんに連れられて、山で地蜂(クロスズメバチ)を捕りました。地蜂というのは、地中にすんでいる肉食系の蜂です。山に行く途中の田んぼでカエルをつかまえ餌にして、目印の脱脂綿につけた肉団子を蜂に持たせることから地蜂捕りが始まります。餌の肉を草がおいしげったところに置いておくと、地蜂がそれをくわえて巣の方に飛んでいくので、白い目印をたよりに追いかけていくと地蜂の巣が見つかるわけ。煙でいぶして蜂の動きを鈍らせてから巣ごと掘り出すんです。

───掘り出した巣はどうするんですか?

家の近くの土手などに移植して大きくしてから、巣の中の蜂の子を食べるんです。
しょう油と酒と砂糖で佃煮にしたり、蜂の子ご飯をつくって食べます。これが実に美味い。いまは蜂の子は缶詰で手に入るので、一度挑戦してみたらどうですか(笑)。
蜂の子捕りをはじめ、子ども時代はとにかくやんちゃ坊主で過ごしました。お寺の別棟でやっていた習字教室に通っていたのですが、遊んでいてガラス窓を割って大怪我をしたことも・・・。今でも傷が残っていますよ(笑)。
小学校5年生の時に父方の実家のある同じ長野県の塩尻に引っ越し、中学・高校と塩尻で過ごしました。

───どんなことが得意でしたか。

昔から工作が好きで、小学校高学年の頃から『初歩のラジオ』や『子供の科学』などの雑誌を買ってきて、回路を組んだり、ゲルマニウムラジオなどを組み立てたりして遊んでいました。将来の夢は科学者。当時江崎玲於奈博士がノーベル賞を受賞して、そんな影響もあったのかもしれません。科学者ってかっこいいなって思ったんでしょうね。
中学生になってからも電気工作には夢中になっていました。クラブ活動は、所属はバスケット部でしたが、水泳が得意だったことから夏休みになると水泳部の助っ人として市の大会に出ました。中学3年生の時には優勝したんですよ。ほかに、陸上競技で高跳びに引っ張り出されたこともあります。スポーツは得意でした。

小学校5年の頃。クラスメイトと(一番手前)

小学校5年の頃。クラスメイトと(一番手前)

中学生の頃。東京で開催された「宇宙博」へ父親と出かけた

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