この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」

ミュージシャンになるには東京の大学へ

───学校の勉強の成績はいかがでしたか。

今お話ししたように、中学生から高校生にかけてロックバンドに夢中だったし、高校生の時は、オーディションを受けて、NHKテレビの「中学生日記」に1年間レギュラー出演したりしていて、すごく忙しくて勉強する暇もなかった(笑)。
化学はまぁできたけれど、英語は苦手だったし、他も褒められる成績じゃなかったな。

「中学生日記」に出演

「中学生日記」に出演

───化学ができたなら当然理系だった?

高2になる時に文系か理系かに分かれるんですよ。ほとんどの女の子が文系に進むわけで、女の子のいない高校生活なんて考えられない。そこで進路希望を文系志望で提出したんですが、担任に「考え直せ」と言われ、それでも方針を変更しなかったら、「数学や理科はそこそこイケてるのに、他の教科はからきしダメなお前は理系に決まっている!」と先生が勝手に理系と書き直して出してしまった(笑)

───大学の受験先はどのようにして決めたんですか。

そもそも、ロックミュージックをやりたくて、大学進学なんて念頭になかったんです。高校時代に名古屋の音楽教室に通って作曲や編曲の勉強をしていたのですが、音楽でプロをめざすなら東京に出なければならないという思いが強くなりました。そこで高3の夏休みに父親に、「東京の音楽専門学校に行きたい」と言うと、父親が「音楽をやるために東京に出すことはできないが、大学に行くなら学費と下宿代は面倒をみよう」と言うので、とにかくどこでもいいから自分の学力で受かる大学を探そうと考えました。
でもそこからのスタートですから、受験準備が間に合わない。理学部や工学部の多くは数Ⅲまで必要で、理科も2科目の選択だったから論外。薬学部と農学部なら、得意な化学1科目で受けられ、数学も数ⅡBまでなど、突貫の準備でも間に合いそうだとわかった。進路指導の先生は、名古屋にある農学部なら受かりそうだと勧めてくれたんですが、東京に行けないなら大学に行く意味がない(笑)。それで受験日程をいろいろ調べて、片っ端から受けることにし、東京薬科大学の薬学部にめでたく合格できたというわけです。

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