この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」

第35回 ミュージシャンを夢見たが、生命科学研究の面白さに目覚め研究者に 早稲田大学 先進理工学部 電気・情報生命工学科教授 胡桃坂 仁志

Profile

胡桃坂 仁志(くるみざか・ひとし)
1989年東京薬科大学薬学部卒業。95年埼玉大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。95~97年アメリカ国立保健研究所(NIH)博士研究員。97~2003年理化学研究所研究員。03年早稲田大学理工学部電気・情報生命工学科助教授に就任、08年より現職。2013年度文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「動的クロマチン構造と機能」代表。主著に『基本がわかれば面白い!バイオの授業』『やさしい先端バイオ』ほか。

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中高校生の頃は、ロックンロールに夢中になり、将来はプロのミュージシャンデビューを夢見た胡桃坂先生。大学受験も、東京に出てミュージシャンになりたい一心からだった。大学院時代に研究の面白さに目覚め、今では遺伝子発現を制御する染色体の構造解析研究のトップランナーとして走り続けている。

子どもの頃の夢はロックンローラー

───どちらのご出身ですか。

名古屋城のすぐ近くの病院で生まれ、名古屋で育ちました。だから名古屋城のシャチホコには特別な思い入れがあります(笑)。小中学校時代は地元の学校に通いました。父親の仕事の関係で公務員宿舎に住んでいたのですが、宿舎のすぐ近くに名古屋大学医学部や名古屋工業大学があったことから、地元の学校にも大学教授や助教授の子供がけっこう通っていて、レベルがかなり高かった。親と一緒にドイツやアメリカに行って何年かするとまた帰ってくる同級生が何人もいたりして、今思うとある意味、特殊な環境でしたね。
先輩にはノーベル賞を受賞された益川敏英先生や歌手のチェリッシュの松崎好孝がいます。

───小学生の頃はどんなことが好きだったのでしょう。

ミュージシャンになりたいと思っていました。小学生の頃、母親が勧めるバイオリン教室に通っていて、その途中の楽器屋にエレキギターが飾ってあった。バイオリンの才能がなかったわけではないと思いますが(笑)、バイオリンよりも断然、エレキギターの方がかっこよく見えたんです。
中学生になると、もう「心はロックンローラー」。文化祭で先輩がエレキギターを弾いているのを見て、「これしかない」って。アメリカンロックが好きで、ジャーニー、ボストン、ヴァン・ヘイレンなどに心酔していました。そのほか、ブリティッシュハードロックも好きで、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリンなどを聴きまくっていました。日本のものはあまり聴かなかったけれど、高中正義やカシオペアなどフュージョン系のものは好きでしたね。高校生になって初めて松田聖子の歌を聴いて、アイドル歌手だとばかり思っていたら実  にハートフルな歌手だと感銘を受けましたね。その後、ユーミンとか、オフコースとかのニューミュージックにも親しみましたが、根っこはロック。友人たちとロックバンドを結成し、ライブ活動をしていました。

───スポーツは何かしていましたか。

小学生の頃は、夏は野球、冬にはサッカーをやっていて、中学生の時にサッカー部に入りました。ところが、私が試合に出ていたわけでもないのに、試合に負けたら部員全員が坊主になるという決まりがあって、ロックンローラーとしては坊主になるなんて冗談じゃないと辞めてしまった(笑)。サッカー部を辞めて卓球部に入りましたが、あまり気乗りはしなかったですね。
高校の時はハンドボール部に入り、ゴールキーパーをやっていました。ハンドボールは性に合っていて続けたかったのですが、練習中に足首を骨折してしまいました。

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