この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」

第37回 茶髪のバンドマンは今、長寿でがん耐性のあるネズミの研究に熱中 北海道大学 遺伝子病制御研究所 講師 三浦恭子

Profile

三浦 恭子(みうら・きょうこ)
兵庫県立兵庫高校出身。2003年奈良女子大学理学部化学科卒。奈良女子大学大学院人間文化研究科化学専攻を中退し、奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科・山中伸弥研究室にて修士課程修了。2010年京都大学大学院医学研究科・山中伸弥研究室にて博士課程修了。医学博士。同年4月より慶應義塾大学医学部生理学教室(岡野栄之研究室)で日本学術振興会特別研究員SPD・科学技術振興機構さきがけ専任研究者を経て14年2月より現職。趣味はギター、旅行など。

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三浦先生が研究しているのは、アフリカのサバンナの地下に生息するハダカデバネズミ。一見「キモかわいい」というので、隠れた人気者だ。このハダカデバネズミ、実は非常に長生きで、しかもがんにかかりにくいというので長寿、がん抑制のモデル動物としても注目を集めている。今はハダカデバネズミの研究に没頭している三浦先生だが、大学時代は茶髪のバンドマンだったという。そんな三浦先生の研究者への道のりは——————?

親は科学者への餌をまいてくれたけれど、遊びに夢中

───子ども時代はどちらで過ごしましたか。

神戸市です。子どものころは神戸の山奥、六甲山を切り開いてつくられた新興住宅地で過ごしました。自然が豊かなところで、虫を捕ったり、その辺を駆け巡っていました。家の中でじっとしているのが苦手だったので、友達の家や外で遊んでいましたね。父がサイエンスに関心が高い人で、化石探しに連れて行ってくれたり、小学生用の顕微鏡や天体望遠鏡を買ってくれて、庭の植物を観察したり、天体を眺めたりしました。親としては、そうして餌をまいて、あわよくば子どもが科学の分野に進んでくれたらと思っていたのではないでしょうか。でも、その当時、私はほとんど科学に興味がなかった(笑)。だいたい、大学卒業のころまで、科学の研究者になるなんて思ってもみなかったんです。

───どんな遊びをしていたんですか。

ちょうど、ファミコンで「スーパーマリオ」や「ドラクエ」が大はやりの時代でした。でもわが家の教育方針でテレビゲームは禁止だったので、友達の家に出かけてゲームしたり、それに飽きると公園で鬼ごっこしたり・・・。父方の実家が熊本県の玉名市なのですがそちらも非常に自然豊かで、盆と正月は川で泳いでシジミを採ったり田んぼで凧揚げをしたり、遊びまわっていました。親は結構厳しい教育方針を持っていて、テレビもNHKの教養番組はいいけれど、ドラマは見てはいけないとか(笑)。その反動で、大学に入ったら絶対に思う存分好きなテレビを見てゲームをやりまくってやるぞって思っていました(笑)。

───得意なスポーツや学科が何かありましたか。
中学1年生のころ。当時はやった内田有紀の髪型を目指したはずが残念なことに・・・

中学1年生のころ。当時はやった内田有紀の髪型を目指したはずが残念なことに・・・

運動神経はあまり発達していなかったみたいです。週1回小学校のクラブでバドミントンをやっていたくらいかな。でも、それでは勉強ばかりしていたかというと、そうではなかったですね。小学校5年生のころ、母親が「勉強がいかに大事か」という手紙を書いて、私の机の上に置いてくれたのですが、一読したらさっと素早く机の引き出しにしまって遊びに行ってしまったそうで、母親ががっくりしていたらしいです(笑)。
勉強はあまりしなかったけれど、小中学校ともに成績は良かったですね。英語、国語、理科が好きな科目で、数学はどちらかというと嫌いな学科でした。生物は覚えるだけというのであまり好きではなかった記憶がありますね。観察や実験は好きでした。
特に好きだったのは、美術、工作、音楽でした。ずっとピアノを習っていたし、中学では一時期トランペットを吹いていたり、絵を描くのも昔から好きだったので、どちらかというとアート系が好きでした。

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