この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」

宇宙や飛行機のことを学んでみたい

───将来、何になりたいか考えたことがありましたか。

将来何になりたいというところに直接結びついてはいないのですが、幼稚園のころ、室蘭にある祖母の家に車で出かけたときのこと、窓の外の雲を見ていて、「あっ、雲って動いているんだ!」と発見したことがあったんです。それまで、雲はただプカプカと空に浮かんで綿あめみたいだなーと思っていましたから、子ども心に大発見でした。この発見が、大げさにいうと、その後の私の生き方やものの見方に大きな影響を与えたといえるように思います。宇宙にしても人間の身体の中の血流にしても、「世界は止まっているのではなく、動いている」。その後、大学で流体力学を学んだり、身体の中の流れを工学的に考えることにつながっていったのです。

───中学から高校にかけてはどんな学校生活だったのでしょう。

高校時代の修学旅行(17歳)。いつもワンピース+リボン(写真左)

当時北海道では“お受験”などほとんどなかったので、中学・高校とも地元の市立に行きました。高校は札幌開成高校です。自由な校風で、制服もなく、『不思議の国のアリス』に憧れていた私は、ワンピースを着てリボンをつけて通っていました。それが私のトレードマーク(笑)。その後、『不思議の国のアリス』を書いたルイス・キャロルが教鞭をとったオックスフォード大学に進学することになるとは、あのころは夢にも思っていませんでした。

中学校時代は、部活はしておらず、4つの稽古ごとに熱中していました。高校時代になるとバレエとタップダンスは続けましたがエレクトーンはやめて、書道のクラブに入りました。書道はいろいろな賞をもらうくらいの腕前で、高校の先生からは教育大などに行き、書道の先生になったらいいのではないかと言われたこともあったのですが、実は漢字が苦手でしたから、書道の先生は絶対無理!と、理系を選んだのです。

───理系を選択したのは、どうしてですか。

国語が得意ではなかったし、今でこそ英語は得意で一つの武器になっていますが、高校のときは苦手でしたから、そもそも文系の選択肢はなかったのです。
それと、毛利衛さんが宇宙飛行士としてスペースシャトルで宇宙に行ったニュースを見て、すごいなと。それで無重力について研究したいと思いました。また、先ほどお話しした幼稚園のころの「雲が動いている!」という大発見以来、宇宙や飛行機について思いをはせるようになってもいて、何かしら宇宙につながることを研究したいと考えたことも、理系を選んだ理由です。そこで、室蘭工業大学の機械システム工学科に進みました。ここなら材料工学を学び、将来的に宇宙や飛行機につながる勉強ができると思ったからです。

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