この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」

第45回 「Origami」を再生医療や創薬につなげたい 北海道大学高等教育推進機構 新渡戸スクール 特任准教授 繁富(栗林)香織

Profile

繁富(栗林)香織(しげとみ-くりばやし・かおり)
北海道札幌開成高等学校を卒業後、室蘭工業大学機械システム工学科に進学。在学中に米国オレゴン工科大学留学。1999年、北海道大学修士課程修了。1999年~、英国オックスフォード大学博士課程で「折り紙ステントグラフト」を開発。2004年帰国。東京大学で細胞を立体的に培養する「細胞折り紙」を開発。2013年北大へ。研究を進めるかたわら後進の育成に励んでいる。2013年 「世界で注目すべき女性研究者25人」にアジアから唯一選出。2014年 「IEEE EMBS Micro and Nanotechnology in Medicine」にて、若手研究者ベストプレゼンテーション賞受賞。2015年 「資生堂 女性研究者サイエンスグラント」受賞 。

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日本人の多くが小さいころから慣れ親しんだ折り紙を使って、細胞を立体構造で培養することに成功。その技術を、再生医療をはじめ創薬や診断に活かそうと研究に取り組んでいるのが繁富先生だ。折り紙に注目した理由や、先生の固定観念にとらわれない柔軟な発想、バイタリティの秘密をうかがった。

バレエ、習字、エレクトーンetc. 稽古ごとに忙しかった子ども時代

───子ども時代はどこで過ごしましたか。

3歳でバレエを始めた

2―3歳のころまで北海道のほぼ中央、札幌と旭川の間に位置する滝川市で育ち、その後小学校にする前まで、競走馬の飼育で有名な日高地方・静内に引っ越しました。幼かったころの記憶はほとんどないのですが、3歳のころからバレエを習っていて、舞台に立つのが好きなキャラだったようです(笑)。小学校からは札幌に。中心部から20分くらいの市街地に住んでいました。大きな公園の横の広い家で育ちましたから、後に東京で研究院生活を送ったとき、なんて狭いんだろう!と思ったものです(笑)。

───どんなことに興味を持っていたのですか。

幼稚園のころは、いまお話ししたバレエのほかに、バトントワリングをやったり、小学校に入学してからは、タップダンスや習字、エレクトーンも習い始めました。エレクトーンは兄が習っていて家にあったのが始めたきっかけで、タップダンスはバレエと同じ先生で妹と一緒にやっていました。週に4つの稽古ごとをこなすわけですから、けっこう忙しかった。

5歳 バトントワリングでパレード

───遊びで何か記憶に残っていることは。

家で手芸などもしていましたが、むしろ、外遊びが好きでした。雪の公園で小さなこぶを作って、スキーのジャンプのまねごとをしたり。そうそう、公園には金づちと木や釘が置いてあって、自由に木工作できるコーナーもあり、いろいろなものを作って遊びました。男女の別なく、好きなことをして遊ぶなかで、発想力や社交性が培われたような気がします。

───小学校時代に思い出に残っていることが何かありますか。

小学校5年生のころだったでしょうか、両親と3人兄妹とで、大阪城や京都の寺社、その後ディズニーランドまで、旅行で回ったことが印象に残っています。ディズニーランドでは雨に降られて少し濡れたのですが、暖かいためにすぐに乾いてしまい、そんなところに北海道との違いが感じられて面白かったですね。

───学校の科目では、何が好きでしたか。

算数が好きでしたね。国語は一人ずつ朗読させられるのがイヤでした(笑)。

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