中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

名医のスキルをいかにロボットに移し替えるかが課題

ロボットによる手術のメリットは、患者さんにやさしい手術を実現することと同時に、これまで名医の勘や腕に頼っていた手術を、ロボットに置き換えることで、扱いやすい技術としていくことだ。
「肝臓癌の手術の場合、肝臓の表面から針を突き刺して患部を治療するのですが、肝臓の表面は非常に柔らかく、どのくらいの力で針を刺したら良いのか、非常に難しい。そこで熟練した医師の技術を数値化して、ロボットに移し入れることができれば、肝臓の手術にも支援ロボットが使えることになるでしょう」
ある組織が癌かどうかを見極めることも名医のスキルのひとつだ。癌細胞がネバネバしている、ザラザラしているといった情報を、摩擦係数やヤング率、剛性率、ポアソン比などといった、ロボットが理解できるデータに置き換えることで、ピンポイントで癌細胞を切除することも可能になる。
「ロボットをさらに微細化することができれば、薬のカプセルを飲む感覚で、ロボットが体内を自走して患部に到達して治療を行う、ロボットデリバリーシステムも期待できます。まさに『ミクロの決死圏』の世界なんですね」

がん細胞と正常な細胞を見分けるポイントをデータ化することが必要なんだ。
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