中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

暗記だけの勉強ではなく、自分で考える生徒になれ

ふたたび藤江先生に、こうした医療・福祉ロボットなど、医工連帯の分野に進みたいと考える中高校生へのメッセージをおうかがいしてみた。
「ただ暗記する勉強だけはしてほしくないですね。考えることができる生徒がほしいですね。なにか壁にぶち当たっても、自分でその壁にぶつかってみて、はじき飛ばされたら、一度はしゅんとしてもいいから、またチャレンジするような気持ちをもってほしいな。
そして医療・福祉分野に進む場合、人間に対する興味を持っていることがとても大事です。おじいちゃん、おばあちゃんが体が弱っているのを見て、自分がなんとかしたいと思う心が大切なんです」
藤江研究室に入ると、まず、興味のあることをどう実現するか、さまざまな角度からトライすることが求められる。「こんなことをやってもいいんですか?」なんて言葉は厳禁。そして基本的に研究はチームでは行わず、一人が一つのテーマを持って最初から完成までやり遂げることをルールにしているという。
「目的はみんなで共有するとしても、私はこれをやるんだという強い意志を持って、責任を持って最後までやり遂げることが学生時代は重要だと考えています。そんななかで、自分の土俵を見つけることが大切ですね。確かに医療と理工学の両方に目を配らなければならないけれど、材料力学、熱力学、機械力学など、理工学部としての専門的な知識はきちんと身につけてほしいですね」
これから、医学と理工学はますます密接な関係をもって進んでいくだろう。患者にやさしく、従来の方法では治療できなかった病気を医療ロボットが治し、お年寄りをやさしく介護するロボットの研究、そこで求められるのは人への興味だという藤江先生の言葉が印象的だった。

「自分がなんとかしたい!」という気持ちが大切なんだって。

(2010年1月公開)

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