中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

知らないことを知ろうとする好奇心が大切

﨑村建司教授

﨑村建司教授

今回のサイエンスキャンプを指導してきた﨑村建司教授は、高校生たちにこんな言葉を贈った。
「この3日間、普段の授業では味わえない体験を持つことができたと思う。その中で感じたことを大切にしてほしい。個々の細かい研究についてはわからないことも多かったと思うが、わからなくても差し支えない。ただ、“自分が知らないということを知ることが大事”です。それがすべてのスタートになるのですから。知らないからこそ知ろうとする。知るように努力する、それが大切です。そして、脳などの生命科学だけでなく、社会科、家庭科、国語など、自分のやりたい研究テーマと関係のないように思える科目も一生懸命勉強してください。そうした一見余分な勉強の蓄積が、将来、脳の研究にも役立つことがあるからです。皆さんの健闘を祈っています!」

中島徹氏
一生懸命勉強するための目標づくりに役立ててほしい

このキャンプは1995年に当時の科学技術庁(現文部科学省)所管の研究所を会場として第1回が開催されてから2010年で16年目を迎えます。現在では、民間企業の研究部門や大学の理系学部、付属研究機関なども加わってサマー、ウインター、スプリングの年3回開催しており、参加者も増加の一途をたどっています。2010年度のサイエンスキャンプは、サマー、ウインター、スプリング合わせて全国79会場、応募定員は1058名に達しています。応募者も非常に多く、2009年度は3300名を超え、平均応募倍率は3.17倍でした。
応募する高校生たちは熱意にあふれた生徒ばかりで、その中から選ばれた参加者は当然学習意欲も高く、指導した研究者の先生方からも手ごたえがあったと聞いています。参加した高校生からは「進路選択に非常に役立った」という声が数多く寄せられています。実際に企業や大学の研究室で学んでみると、想像していた以上に研究の現場は明るい雰囲気で活気があると、認識を新たにすることも多いようです。こうした体験を通じて、自分たちの目標をしっかり持つための機会になればと思っています。
取り上げる科学研究分野はとくに制限はしていません。これからより多くのさまざまな分野の会場で、さらに多くの高校生に参加してもらい、一層充実させていくことができると良いと思います。そのためにも、企業や大学の方々にもっとこの取り組みを知っていただきたいと願っています。
今年の夏も7月26日~8月29日の期間にサマー・サイエンスキャンプ2010を開催しますので、高校生の諸君はふるって参加してください。

(2010年4月公開)

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