中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

「細胞折り紙」で三次元構造をつくる

先生の次のチャレンジが、細胞を「面」のブロックとしてハンドリングできるようにすること。岡野光夫先生の「細胞シート」も、温度応答性培養皿の上で面状に培養された細胞シートを積み重ねて立体組織をつくる、「面」としての研究の代表的なものだが、竹内先生の発想は、細胞1個だけが乗るとても小さなプレートを用意するというものだった。
「細胞1個1個を一辺50μmの高分子の薄膜でできた正方形や正五角形の座布団に座らせて、平面状に並べて培養していくわけです。すると、接着面積を広げようと伸展し、隣の座布団にもどんどん手足を伸ばしていく。その結果、細胞内には引っ張る力(牽引力)が蓄積され、座布団が引き寄せられるようにして立ち上がり立体が組み上がるのです」

細胞折り紙で多面体を作るしくみ

細胞折り紙で多面体を作るしくみ
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ちょうど正方形が6枚並んだ展開図からサイコロができるように、チューブやピラミッド状、正十二面体など、さまざまな形の立体ができあがる。
「まさに、細胞が折り紙を折るようにパタパタと立体構造をつくっていきます。名付けて『細胞折り紙』(笑)。日本が誇る折り紙文化はソーラーパネルなど宇宙工学分野にも応用されていますが、これからは臓器づくりなど再生医療への応用も期待できるというわけです」

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