【受賞者決定】第4回森下泰記念賞 【受賞者決定】第4回森下泰記念賞

森下泰記念賞について

医療機器・再生医療・ドラッグデリバリーシステム・医用システムなど、医学と工学の連携・融合領域から生みだされる医療技術の発展は目覚ましく、健康長寿の実現に向け、大きな貢献を果たしています。テルモ生命科学振興財団 森下泰記念賞は、これら医工連携・融合領域において顕著な業績を上げ、その将来が期待できる方を顕彰することで、その業績を称え、研究の一層の進展を祈念するとともに、この分野へのより多くの優秀な人材の参入契機となることを期待して設けるものです。

本賞の名称は、当財団の出捐会社であるテルモ株式会社の前身となる、仁丹体温計株式会社および株式会社仁丹テルモにおいて、社長・会長を務められた、森下 泰(もりした たい)氏に由来しています。 “わが国の医療技術が、広く世界の医療の場に貢献し、健康な生活を通じ人類の平和に寄与していくこと” を課題として設立趣意に謳う当財団の趣旨に賛同された氏より、1987 年に遺贈いただいた同社の株式が、現在の当財団の主な基本財産となっています。

募集要項

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表彰の対象 日本国内の研究機関(企業を除く)に所属する研究者で、医工連携・融合領域において顕著な業績を上げ、今後の活躍が期待される者
褒賞内容・件数 正賞および副賞:1,000万円・1件
募集方法 一般公募および当財団が指定する学会からの推薦により募集
申請方法 「森下泰記念賞Webシステム」より申請
募集期間 2024年6月1日~2024年8月31日

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受賞者決定

氏名 染谷 隆夫(そめや たかお)
所属 理化学研究所 開拓研究本部 染谷薄膜素子研究室 主任研究員
創発物性科学研究センター 創発ソフトシステム研究チーム チームリーダー
業績 伸縮性エレクトロニクスによる生体電子計測の先駆的貢献
選定理由

染谷隆夫氏は、「大面積化の容易さ」や「曲げやすさ」といった特徴を持つ有機半導体材料と、ナノテクノロジーを応用した電極・配線技術を融合することによって、柔軟性・伸縮性・大面積・多点・マルチモーダルという皮膚の主な特徴を兼ね備えたシート状センサを開発し、世界に先駆けて「電子皮膚」のコンセプトを提唱されました。

この生体と人工材料の界面情報制御技術の発明を契機に、伸縮性を備えた半導体デバイスの研究開発が飛躍的に進展し、「伸縮性エレクトロニクス」と呼ばれる新たな技術領域が創出されるに至りました。これまでにない柔軟な半導体デバイスの登場により、変形・伸縮する生体への追従性が大幅に向上し、電極と生体界面の親和性も改善されたことで、長期間かつ高精度に生体情報を連続計測できるようになりました。

これらの成果は、今後益々重要となる未病や予防医療、疾病の予後管理など、様々な医療分野で鍵となるウェアラブルデバイスに応用され、さらにAIなどと組み合わせることで、今後の医療を革新する技術となり得るものと期待されます。

以上の実績及び将来性を勘案し、“医工連携・融合領域において顕著な業績を上げ、その将来が期待できる方を顕彰する” との森下泰記念賞の趣旨に相応しい研究者として選定いたしました。

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