中高校生が第一線の研究者を訪問
「これから研究の話をしよう」

第17回
私たちの手の指はなぜ5本?
体の形を決める発生プログラムをひもとく
東京工業大学 生命理工学院
生命理工学系 教授
田中幹子先生


桐朋女子高等学校
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小柴 真咲
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早川 紗矢
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吉岡 四季
ヒトの指は5本、ラクダは2本。アヒルには水かきがあるけれども、ニワトリにはない。手足は古代魚の鰭(ひれ)から進化したものですが、なぜこのように形が違うのでしょう。進化の裏にどのようなメカニズムが隠されているのでしょうか。今回は、その謎を解き明かそうと、サメやゼブラフィッシュ、カエル、ニワトリ、エミューなど、さまざまな生き物で発生プログラムを研究している東京工業大学生命理工学院生命理工学系の田中幹子教授にお話を伺いました。訪問したのは桐朋女子高等学校1年生の皆さん。当日は、希少なエミューの胚を観察するという幸運に恵まれました。
(取材日:2022年12月26日)
INDEX
*本記事で使用している図版類は、一部を除き当日の講義で使用されたものを田中教授に提供していただきました。
PROFILE

東京工業大学生命理工学院生命理工学系 教授
田中 幹子(たなか みきこ)
1993年、大阪市立大学理学部生物学科卒業。98年、東北大学大学院理学研究科生物学専攻後期博士課程修了。日本学術振興会海外特別研究員(98年ロンドン大学、98~2003年ダンディー大学)、上原ポストドクトラルフェロー(03~04年オレゴン大学)を経て、04年より東京工業大学大学院生命理工学研究科生体システム専攻 助教授。准教授を経て、21年より現職。同年5月に「脊椎動物の四肢の発生と進化に関する研究」で第41回猿橋賞を受賞。日本発生生物学会、日本動物学会、日本分子生物学会、日本進化学会に所属し、それぞれ役員、評議員などを歴任。博士(理学)。
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