中高校生が第一線の研究者を訪問
「これから研究の話をしよう」

第23回
小さいけれど広い世界。
原生生物の動きを探る
北海道大学
電子科学研究所 准教授
附属社会創造数学研究センター
知能数理研究分野
大学院生命科学院 ソフトマター専攻
物理エソロジー研究室
西上幸範先生


札幌日本大学
中学校・高等学校
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岡山ひかり
(中学1年) -
神野由徠
(中学1年) -
佐々木健翔
(中学1年) -
泉一生
(高校1年) -
大山莉璃羽
(高校1年) -
正村悠結
(高校1年) -
淀野佑也
(高校1年)
「生物の多様性」という言葉を聞くと、動物や植物などを思い浮かべがちですが、実は私たちの周りには、目には見えないけれど非常に豊かな生き物の世界が広がっています。それが、アメーバやゾウリムシで知られる原生生物の世界です。21億年前から存在していた原生生物がどのように進化してきたのか? どう行動し、どのように生活しているのか、まだまだ解明されていない謎が多く残されています。今回は北海道大学電子科学研究所で、その原生生物の行動学を研究している西上幸範先生にお話を伺いました。訪問したのは札幌日本大学中学校・高等学校の、中学1年生(部活動・科学部所属)と高校1年生(SSH履修生※)の皆さんです。
※SSH履修生:SSH(Super Science School)は、文部科学省が指定する将来の科学技術人材の育成を目的とした教育機関(高校や中高一貫校)。札幌日大中高では、日本大学や各種研究機関を訪れるなど研究テーマを深める取り組みを行っており、今回の参加者はそのプログラムを履修している。
(取材日:2024年10月15日)
INDEX
*本記事で使用している図版類は一部を除き、西上先生に提供していただきました。
PROFILE

北海道大学 電子科学研究所 准教授
附属社会創造数学研究センター 知能数理研究分野
大学院生命科学院 ソフトマター専攻 物理エソロジー研究室
西上 幸範(にしがみ・ゆきのり)
2013年、兵庫県立大学生命理学研究科生命科学専攻修了。博士(理学)。専門分野は原生生物、細胞運動、細胞生物学、生物物理学、人工細胞。目や耳、脳を持たない原生生物の行動原理の解明を目標に、細胞の動きの観察・定量化、人工細胞の作製などを通じて研究を進めている。日本原生生物学会奨励賞(14年)、第51回日本原生生物学会ベストプレゼンテーション賞(18年)、第6回物質・デバイス共同研究賞(24年)。

研究室訪問に際し、参加者の皆さんには先生の推薦図書『アメーバのはなし ー原生生物・人・感染症ー』(朝倉書店刊)を事前に読んでいただきました。