小さいころからマンガが大好き。中3までマンガ家志望
———子どものころはどんなお子さんでしたか?
マンガばかり読んでいましたね。小学校4年生ぐらいからお小遣いで月刊『なかよし』を買い始めて、連載が始まったばかりの『美少女戦士セーラームーン』などに熱中していました。
———動物がお好きだったそうですが、何か飼っていましたか?
金魚を飼っていました。それと幼稚園のころから犬を飼い始めました。雑種ですが、幼稚園の帰りに母と一緒に公園を通ったときに、棄てられた7、8匹の子犬が歩き回っているのを見つけて、かわいそうで、一番近くにいた子犬を連れて帰りました。オスの雑種で、井上ひさしの小説でアニメや映画にもなった『ドン松五郎の生活』から名前をとって、ドン。とてもなついてくれ、私が高校3年生のとき、14歳まで生きて大往生でした。

愛犬のドンと。
———勉強はいかがでしたか?
勉強は正直、ほとんどしていませんでしたね。ただ、友だちが習っていた公文式の学習塾について行ったらとても楽しくて通うことにしたところ、算数の計算だけはすごく速くなった。算数だけがまぁまぁで、ほかの成績はよくなかったので、5年生から塾に行きました。
———中学はどちらへ?
とくに進学校というわけではない、中高一貫のカトリック系の私立の女子校です。
中学時代は田村由美さんの『BASARA(バサラ)』というマンガにハマり、外伝も含めて27巻を全部揃えて愛読していました。スクールバッグを開けたら『BASARA』が6冊ぐらい入っていたなんてことも…。才能があるわけではなかったのですが、将来はマンガ家かイラストレーターになりたいと、自分でもせっせとマンガを描いていました。いとこが『少年ジャンプ』にSFマンガを連載*していたので、そういう職業を身近に感じていたということもあるかもしれません。
それが、中学3年のときにガラッと変わるんです。
*戸田尚伸「惑星をつぐ者」
———何があったんですか?
中学で仲のよかった友だちが、高校はもっと上位の進学校に行くというので受験勉強を始めたんです。その子の家で一緒に勉強していたら、それまで成績が悪かったのが、中3になって急上昇しました。すると、とたんに勉強がおもしろくなってしまったんですよ。
———やればやるほど成果が出てくると、励みになりますよね。
それまで仲のいい友だちと集まってはマンガとかアニメの話ばかりしていたのが、急に勉強に目覚めちゃったわけですね。ですから、志があって、こういうことをやりたいから勉強に力を入れたというのではなく、問題を解くのが楽しくなって勉強が好きになった。以前は、たとえば地理とか地学は勉強しないと点数が取れないので、驚くような悪い点数ばかりだったのに、勉強するとマシになる。それがおもしろくなったんですね。
———大学は、どんな観点から選んだのでしょう?
単に勉強が楽しくてやっているだけで、これをめざしてこの大学に行きたいというのではなかった。若い人には全然参考になりませんよね…。知っている大学を受けようということで志望した大学のひとつが東大でした。理科Ⅱ類を選んだのですが、東大は入学した時点では学部を選ぶ必要がなかった点がよかったと思います。