幼少期から、さまざまな「ひみつ」や「答えのない問い」を考えることに夢中だったという池ノ内先生。多感な時期に体験した病や死への畏怖の思いから医学部へ。しかし学部生時代に出入りした研究室で仮説を立てて探究するおもしろさを知り、臨床ではなく研究の道を選んだ。生化学では重視されるが、分子生物学では見落とされがちな脂質に着目して、上皮細胞の接着構造の謎を探る日々だ。
profile
池ノ内 順一（いけのうち・じゅんいち）
1978年滋賀県生まれ。2003年京都大学医学部卒業。07年同大学大学院医学研究科博士課程修了。博士（医学）。その後、京都大学化学研究所、京都大学工学研究科合成・生物化学専攻准教授を経て、13年九州大学理学研究院で研究室を主宰。16年より現職。上皮細胞の細胞膜構造に着目し、細胞接着やその構築メカニズム、細胞膜形成における脂質の機能、細胞膜構造の動的な変化の分子機構などを研究。
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