パズルと英語が大好きな理系少女
———ご出身はどちらですか?
東京です。高校卒業までずっと大田区に住んでいました。小さいころからあまり計画性のない性格でしたが、与えられた機会をしっかり掴んでここまで来た感じがします。
———海外の研究生活を終えて、日本に戻ったばかりだと伺いました。
2024年4月に帰国し、理研の脳神経科学研究センター(CBS)に着任したばかりです。大学からずっと海外だったので久しぶりの日本です。
———子供時代はどんな毎日を過ごしていましたか。
とくに科学に興味があったわけではありません。小さいころからクイズとかパズルが大好きでした。クイズを解いて答えを出すのがおもしろかったんですね。正しい答えが見つかると気持ちがスッとするんですよ。
———趣味やクラブ活動は何かやっていましたか。
体を動かすのは好きでした。中学校はバスケットボール。でも高校に進んだら自分の技術で続けられるレベルではなくて、やめてしまいました。そのあとダンス部に入ったんですが、それほど真剣にやらなかった。高校3年間は何かに熱中するということがあまりなかった気がします。ただ、本を読むのは好きで、とくに英語ができるようになりたくて中学のころから洋書を読んでいました。

中学時代はバスケットボール部で活躍
———どうして理系に進もうと思ったのでしょう。
数学も理科もクイズと同じで正しい答えがあるじゃないですか。でも国語や社会は「解釈」が必要で、必ずしも正解が一つというわけではなく、私にはあまり向いてなかった。だから、高校生のころには理系に進むと決めていました。分野は決まっていなかったけれど、いろいろな学部が受験できる物理と化学を選択したので、生物は履修しませんでした。
———高校は都立国際高校。特色のある高校だそうですね。
3つ上の姉が通っていたので選びました。全生徒の3分の2が海外からの帰国生や在京外国人で、1年生の始業前にクラス分けの試験をやるんです。中学時代から洋書を読んでいたこともあって英語の読解力はあったので、帰国生クラスになってしまいました。でも、普通に英語を話せる友人たちの会話に入るのはなかなか大変で、「これは頑張らなきゃ」と思いました。
———生物や生命に興味を持ったきっかけは何ですか?
高校生のころに祖母が認知症になったんです。病気のせいで性格がどんどん変わっていくのを見て不思議に思いました。それがきっかけで人間の体、とくに脳に興味を持つようになりました。