高校時代に読んだ立花隆の『精神と物質』で分子生物学のおもしろさに開眼。脳の研究者になろうと大学に進んだ宮道先生。大学院で「においの神経回路」の謎の一端を解明し、研究室主宰者として独立後は、社会行動をつかさどる視床下部をターゲットに、独自のウイルスツールや遺伝子工学を使って精緻な神経接続マップを可視化し、比較解析を進めている。脳科学研究の醍醐味をうかがった。
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宮道 和成(みやみち・かずなり)
愛知県生まれ。2001年東京大学理学部生物化学科卒業後、06年3月東京大学理学系研究科生物化学専攻博士課程修了。理学博士。同年より13年までスタンフォード大学生物学部Liqun Luo研究室で博士研究員。帰国後、東京大学大学院農学生命科学研究科特任准教授としてERATOに参加。18年4月より現職。神経が情動や社会行動に及ぼすしくみを、最新の遺伝子工学や神経細胞の分子・神経操作を組み合わせて可視化する「比較コネクトミクス」によって探究している。
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