公益財団法人テルモ生命科学振興財団

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中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

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生物好きで運動が得意なやんちゃな子

———子どものころはどんなことが好きでしたか。

木に登って素手でセミを捕まえたり、家の前の川でザリガニやカブトエビを捕ったり(これも手づかみ!)、外遊びが大好きでした。生き物を飼うのも好きでしたが、得意というわけではなく、試行錯誤してもすぐに死んでしまうことも多く、家の庭はお墓だらけでした。

見たこともないお魚を釣り上げてゴキゲン

妹(右)と馬に乗って

———習い事などは?

ピアノと書道や絵を習っていましたが、座って練習するより外遊びの方が好きでした。ただ、母が保育士で家に絵本がいっぱいあったので、それはよく読みました。福音館書店の『ちのはなし』という絵本を読んで、血の中にはいろんな血球があることを知り、自分の血も見てみたいと思ったんですね。6年生のときに顕微鏡を買ってもらったので、転んで出た血を観察しようとスライドに載せてみました。顕微鏡といっても、虫眼鏡よりちょっと性能がいい程度のおもちゃみたいなもの。覗いても、真っ赤なだけで血球は見えない。濃すぎるのではと考えて水で薄めてみたり(今思えばNGですが・・)、試行錯誤したことを覚えています。

いったいどこに登っているのか…

伯耆大山(鳥取県)登山中に木の穴に入る(やんちゃっぷり全開)

———そのころから人の体に興味があったんですね。

やんちゃな割には身体が弱く、よく病院に行っていたからかもしれません。人体図鑑も買ってもらって、「肝臓ってすごい!見てみたい!」なんて思っていました。だから、中学生になってNHKスペシャルの『驚異の小宇宙 人体』で映像やCGを見たときはすごく感動しました。

———中学生のころは、大きくなったら何になろうと思っていましたか。

すごくおもしろくて、個性的で、あたたかい先生方ばかりだったので、体育か英語の先生がいいかな、なんて思っていました。

———体育の先生! 医者や研究者というわけじゃなかったんですか?

そもそも研究者という仕事があることは知らなかったかもしれません。あと、理科は好きだったけど数学が苦手で(というより、なぜこういうことを勉強する意味があるのか当時はよくわからなかったというか…)、テストをするといつも数学が足を引っ張る感じで、勉強より運動の方が得意だったんです。部活もソフトボール部でした。

———高校時代はいかがでしたか?

当時岡山市では、県立普通科高校(岡山五校)は、学区内の複数校をひとまとめにして合格者を決定し、その後各高校へ入学者を振り分ける「総合選抜制度」を採用していて、必ずしも志望校には入れなかったんです。私も家からすごく遠い、希望していなかった高校に通うはめになりました。自転車を必死にこいでも40分かかったので、信号でひっかかると遅刻したり、雨の日なんかは疲れ果てて世界史の授業など教卓の一番前なのに寝て先生に起こされてしまったり…。だから部活どころじゃなかったですね。

———進路はどのように決めたのですか。

相変わらず数学に苦手意識がありましたから、文理選択では文系を選び、教育学部に行って先生になるつもりでした。ところが、高校の生物の先生が京大の理学部出身で、すごくおもしろい授業だったんです。最後は必ず「さて、これはどうなるんでしょう?」とか「どうしてかな?」と謎を残して帰ってしまう。それを自分で調べてわかるともちろんうれしかったのですが、一方で、自分が疑問を持つぐらいのことはすでにわかっているのだな、まだわかっていない人体の謎を自分の力で解くようなことをしたい、と思うようになりました。まずは、生物を勉強できる大学に行こうと、3年生のギリギリの時期に文系でも受験できる理系学部を探しました。それで受かったのが広島大学です。センター試験と小論文だけで、難しい数学の試験はなかったんです。

———文系から理系に転向して合格! 大学ではどんな勉強を?

それが、入ったのは農学系の生物生産学部。当時は受験情報も少なく、学科名に「生物」とあるから人体の研究もできると思っていたのですが、食料としての生物について学ぶ学部でした。でも、ウシを解剖するのもおもしろかったし、卒論指導の先生はニワトリ由来の抗体の研究についてすごく熱心に教えてくださいました。いま思えばそうした研究もすごく大事だと思いますし、進化の視点や、自分が考えていたのとは異なる観点を学んだようにも思います。ただ、人体の謎を探る研究とはちょっと距離がありました。

———勉強以外の大学生活の思い出はありますか。

ソフトボールを復活しました。サークルに入って、男子の中に女子1人混じってセカンドを守っていたんです。全学(大学全体)でソフトボール大会があったときのこと。女子が1人フル出場すると2点ハンディがもらえたんですが、それで2対0で勝っちゃった。「男子とまったく遜色のないプレイをするのに、ハンディがあるなんて反則だろう」なんて言われたりして、相変わらずやんちゃでしたね。