公益財団法人テルモ生命科学振興財団

中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

思いついたらつくってみよう。やる前に「だめだ」と思ってはだめ

次々と新しいアイデアをカタチに変えていく中村研究室。研究を進めるためにはどんなスキルが必要なのだろう?
「ぼくはスキルはあまり必要ないと思っています。むしろ、思いついたらつくる、完成品でなくていいのでとにかくつくってみることが大事です。一番危険なのは、やる前に『だめだ』と思っちゃうこと。つくる前に否定してしまっては、次は生まれません。おもしろそうだと思ったら未完成でもいいのでつくってみると、次の発想も生まれてくるものです」

新しいことを考える発想力の秘訣は?と聞くと、中村先生から返ってきたのは「議論すること」。
「理論もあるけれど、いろんな人と議論していく中でさまざまなアイデアが生まれてくるものなんですよね。あとは、われわれの知らないところにインスピレーションをかきたててくれる人たちがたくさんいて、彼らがおもしろいネタを持ってきてくれるんです。たとえば深海底の探査なんかぼくはまったく考えていなかった。要するに一人の人間が持っている見地なんてたかが知れているわけですね。われわれの技術を見て、『こんなところに使えるのでは』と、まったく違うフィールドの人からの話が持ち込まれたりするものです。JAXAから『固体ロケット燃料に使えませんか』というメールが来たときも、『これはすごい』とたちまち興味をかき立てられ、1分後には『やりましょう』とメールを返しました。結局、まわりの全然違うフィールドの人から声がかかって、一緒に組んでやっていくというところがおもしろくて、それをきっかけにまたどんどん新しい発想が生まれてくる。一人だったらできなかったかもしれませんね」

そんなふうに語る中村先生だが、高校時代は「勉強は一生懸命やったのに、成績が悪くて、ほぼ落ちこぼれに近かった」そうだ。でも、泥臭くてもいいから、時間をかけて勉強なり何なりに、精一杯取り組むことが大切という。

「結果は出なかったけれど、報われなくてもがんばって勉強していたという経験が今の研究にすごく生かされています。大学で単位を取るのはペーパーテストですから高校の試験と似ているけれど、研究となると費やした時間がすべて成果になる。たとえ失敗したとしても、それは失敗ではなくて成果なんです。皆さんには、たとえ成績は上がらなくても泥臭く勉強を続ければ、あとあと必ず役に立つことを知ってほしいと思いますね」

(2018年10月18日更新)

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