中高校生が第一線の研究者を訪問
「これから研究の話をしよう」
第24回
視覚と聴覚で探る鳥類のコミュニケーション
終章 みんなの感想
この経験を研究活動に生かしたい
柴沼巧樹さん

先日、私たちは相馬研究室を訪ねました。私は、そこで相馬先生や研究室のお2人から自分の好きなことを研究する楽しさなどを学びました。また、私の所属する数理データサイエンス科は1年から研究活動があるのですが、研究活動の進め方や研究内容の決め方など、さまざまなアドバイスをいただくことができました。この貴重な経験を生かし、数理データサイエンス科としてより良い研究結果を残せればと思います。
幅広く学ぶ重要性を再認識
岡田全さん

北大の研究室訪問で、普段得られない大変貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。中でも特に興味深かったのは、ブンチョウなど赤道直下に生息する鳥類は日本のような温帯に生息する鳥類とは繁殖サイクルが大きく異なることです。地理と生物の両方の知識を要する内容で、幅広く学ぶことの重要性を再確認できました。また、ブンチョウの発声パターンについてもご教示いただき、行動学の基礎的な知見も得られました。普段立ち入れないバックヤードへの訪問で、大学生活のイメージを深めるとともに、自身の将来について視野を広める良い機会となりました。
学ぶ楽しさと未来への期待が膨らんだ
里見隆樹さん

北海道大学の研究室を訪れ、実際の雰囲気を感じることができました。まだはっきりと決まっていない将来の進路に向け、興味のある分野を広げる良い機会になったと思います。鳥の鳴き声を組み合わせて複雑な歌を作る体験が特に楽しく、音や行動から鳥を理解する研究に興味が湧きました。今やりたいと考えている職業との共通点も見つけられ、進路選びのヒントになるとともに、学ぶ楽しさと未来への期待が膨らむ貴重な経験でした。
面白かった音素の組み合わせ体験
鈴木成来さん

相馬先生と研究室のお2人に講義をしていただきました。相馬先生からは鳥の行動学を学びました。鳥の気持ちは鳥でないと分からないため、予測するのは難しいことだと感じました。岡さんからは、ブンチョウの視覚について教わりました。人間とブンチョウでは色の見え方が違うこと、繁殖期になるとくちばしの色が濃い赤色になることに驚きました。牧岡さんからは、ブンチョウの鳴き声について教わりました。複数の音素から歌を作る体験をしましたが、ブンチョウにとって何が複雑なのかを考えながら音を組み立てるのが面白かったです。お忙しい中、ありがとうございました。
もっと知りたい鳥のこと
桝澤裕義さん

相馬先生のお話で、鳥の鳴き声にはテンプレートが存在しない場合もあることを初めて知り驚きました。というのも、鳥はみんな同じようにしか鳴かないと思っていたからです。その後、父親のさえずりから鳴き方を学習するという話を聞いたときは、人間の方言のようなことが鳥にも存在することにびっくりしました。鳥の鳴き方には個体差があり、鳴き声の種類や複雑さによってモテるかどうかが違うことを、音素の組み合わせを考えながら学べたのは、私にとって良い経験になりました。数理データサイエンス科として研究することが増えてきますが、今回、研究結果を聞くことができたことは、これからの私の力になると思います。
私はこれまで鳥のことは詳しく知らず、個体差を見分けようともしていませんでした。ですが、今回の訪問で鳥という生き物の面白さ、まだ分かっていない部分が多いという不思議さに触れ、がぜん気になるようになりました。実家に帰ると鳥の声が聞こえることが多いので、耳を傾けて「鳥」という生物をもっと知りたいと思います。
研究者マインドに触れた貴重な機会
教諭:大宮祐男(おおみや・まさお)先生

今回の訪問を通じて最も印象深かったことは、相馬先生や研究室の皆さんの「鳥に対する愛情」です。本当に鳥が好きなんだな、ということがあらゆる場面で感じられ、楽しそうに研究を語る姿に、何だかこちらも楽しい気持ちになりました。生徒たちにも高校で行う探究活動において、相馬先生方のように心から楽しんで、生物であるかどうかにかかわらず、研究対象に深い愛情を持って取り組んでほしいと思います。研究の最前線で活躍されている研究者が、このように前向きなマインドで研究していると知ることができた今回の訪問は、生徒にとって本当に貴重な機会となったと感じます。相馬先生や研究室の皆さん、取材スタッフさん、このたびは誠にありがとうございました。