公益財団法人テルモ生命科学振興財団

財団サイトへもどる

中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

サイト内検索

研究施設のチンパンジー・クーちゃんに会う

やあ、みんな、京大霊長類研究所へようこそ。この研究所は1967年に設立され、もう半世紀に及ぶ歴史を持っています。現在ここには12人のチンパンジーがいて、「霊長類としてのチンパンジーが、世界をどのように認識しているのか、ヒトのこころはどのように発生し、進化してきたのか」などの研究に協力してくれているんですよ。まず、私たちが実際にどのようにして研究をしているのか、その現場に案内しましょう。

やった! チンパンジー研究の現場なんて初めてだからドキドキするなぁ。

実験施設の中に入るには、ウイルスなどを運び込まないように、白衣、帽子、手袋、長靴を身に着けてください。それでは、入りましょう。

わあ、パソコンやカメラ、ビデオ、タッチパネルなどがあちこちにある!

でも、実験のブースの中にチンパンジーがいませんね。

この建物から少し離れた森の中に12人のチンパンジーが暮らす施設があって、いま、そこから一人のチンパンジーがこちらに向かっているところなんです。あっ、ブースの上の方の入り口から姿を現しましたよ。彼女が2000年生まれの女の子のクレオです。クーちゃんと呼んでいます。

クレオ。クレオパトラから名づけられた。「クレオパトラ」の意味は、「父(ファラオ)の栄光」。光り輝く未来がクレオに訪れますようにという願いが込められているという。

チンパンジーたちの暮らす施設。高い木のかわりに、鉄のタワーやハシゴ、ロープや板があり、自由に動き回ることができる。

これからどんな研究が始まるのかしら。

いろいろな実験がありますが、いまクレオがやっているのは、色の見本合わせの課題です。たとえば、赤いリンゴを見たあとに、黄と赤の四角形を見て赤いほうをタッチすれば正解。正解するとチャイムが鳴って、小さく切ったリンゴのごほうびがもらえます。

あ! 間違えたらブザーが鳴ったよ。

このほか、タッチパネルに登場する複数の顔の中から、直前に表示された顔を選べるかどうかや、どちらの数が多いかを判断できるかなど、さまざまな実験をしています。

実験に取り組むクレオ

クーちゃんは、いつも実験に協力的なんですか。

もちろん気分が乗らないときもあって、なかなかタッチパネルの前に座ってくれないとか、うまくいかないこともありますよ。チンパンジーの研究は忍耐と愛情が必要なんです(笑)。さて、これからは私の研究室に戻って、さらにいろいろお話ししましょう。