公益財団法人テルモ生命科学振興財団

中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

「サイエンスカフェ2021」レポート
再生医療の第一人者による講義や
若手研究者との交流を通じて
「生命科学研究のいま」をオンラインで学んだ3時間

参加した高校生たちの感想

※寄せられた感想の一部を抜粋したものです

将来の職業を考え直すよい機会になった

青森県立青森高等学校(K・A)

僕は参加前は応用数学に興味がありました。数学が得意で、大学では数学を日常に応用できる勉強をしたいなと思っていたのですが、そもそもどういう勉強をするか想像できず、少し不安を感じていたところでした。そこで、あまり他の理系分野について知らなかったのですが、いろんな分野の教養を深めようという軽い気持ちで参加しました。
清水教授による細胞シートを用いての再生医療の研究の講義では、聞いたこともないような最先端の科学技術で臓器が作られていることにワクワクしました。ラボ紹介では、培養肉を作る研究に関心を持ちましたし、最先端の手術室の紹介では遠隔医療の進歩や車での移動式の医療がここまで発達しているということがわかり、勉強になりました。また、体内時計と健康科学についてのラボ紹介では、体内時計のずれの危険性を知りました。どれもとても面白く、より人間が暮らしやすい未来を作るための素晴らしい研究で、将来の職業を考え直すいい機会になったと思います。

研究者として働く人々の働き方やその姿を学んだ

群馬県立前橋高等学校(Y・K)

僕は将来、医師になりたいと考えています。中学2年のとき、職場体験で総合病院へ行く機会があり、病院の中で働く医者の姿を学びましたが、今回は再生医療の研究者として働いている、あまり普段は見ることのできない医者としての働き方や、その姿を学ぶことができました。そして、医療というのは再生医療などの技術を使って患者さんを治療する人、その技術を作る人、また医学部以外の工学系の人など、多くの人が一丸となって作り上げているのだと思いました。
また、ラボ紹介と自由討論では体内時計と睡眠について研究しているグループに参加しましたが、よく耳にする体内時計を科学的に研究し、実際に時計遺伝子というものがあることを知ってとても驚きました。そして、話の中で英語が大切だということをおっしゃっていたので、今まで以上に英語学習に力を入れていきたいと思いました。先生方がおっしゃったように、今ある時間を大切にして広い視野を持ってこれからの人生を歩んでいきたいと思います。

進路に迷っていた私。視野を広げることができました

千葉県立柏高等学校(A・Y)

私がこのサイエンスカフェに参加した理由は、将来の進路に迷っていたからです。幼いころから医療関係に進みたいと思い続け、念願の理数科に入学できたものの、そこからの具体的な道は見つからず、途方にくれていたところ、今回のサイエンスカフェに出会い、自分の進路の視野を広げることができました。
サイエンスカフェに参加するまで、再生医療について興味はあったものの、あまり深いことは知らず、「すごい技術があるんだな」ぐらいの意識しか持っていませんでした。しかし、今回の講義を通して、再生医療や医工連携の分野に注がれている研究者の方々の情熱、社会への貢献度の大きさを間近に感じることができ、同じ「すごい」という感覚でも、以前より奥行きのある「すごい」に確実に変化しました。
また、若手研究者の方々の話を聞いて、私も将来、あんなふうに自分のやってきたことや、やっていることを生き生きと語れるようになりたいなとも思いました。自分が興味を持つことについて研究すること、また、人を救うために研究することは、きっととても楽しくて、充実感を覚えるだろうと思います。

地域医療に貢献したかったので遠隔医療は夢とマッチ

愛知県立西城高等学校(K・I)

今回オンラインサイエンスカフェ2021に参加し、様々なことを学ぶことができました。特に私は遠隔医療に興味を持ちました。私の将来の夢は医者になって地域に貢献することですが、今回の遠隔医療の話は非常に自分の夢とマッチしていたからです。
今まで遠隔医療の話は聞いたことがなく、全く考えていなかったので非常に感心しました。遠隔医療を行えば、家から病院が遠くて困っておられたご年配の方々の医療に有益でしょうし、もしかしたら、救急車の需要の減少につながるかもしれません。将来、手術室を持つトラックが走っていることを楽しみにしています。
睡眠の研究にも大変興味を持ちました。自分は睡眠との付き合いがあまり上手でないため、今回のお話は非常に自分にとってよい刺激になりました。実際にサイエンスカフェ参加後、朝早く起きる習慣がついてきています。睡眠と上手に付き合うことで日常のパフォーマンスが飛躍的にアップしました。大変ありがとうございました。

幅広い知識を学んで将来の医療を支えたい

岡山県立岡山一宮高等学校(R・H)

私は将来、医師になりたいという思いからサイエンスカフェへの参加を希望しました。参加して印象に残っていることが2つあります。1つは細胞シートを用いてさまざまな病気の治療ができるということです。細胞シート内に自由に血液が流れていく「段階的積層化法」はとても不思議でおもしろいと思いましたし、再生医療など幅広く応用されているということにとても驚きました。また、家畜に頼らない食肉生産ができたりするのも驚きでした。
2つめは最先端の手術室です。5Gを利用することで学会などの出張中や高速移動中、宇宙空間などからでも手術できるということや、手術ナビゲーションシステム、悪性腫瘍の判定といった最先端の技術が総動員されていて圧倒されました。
以前の私は医療は医学が主体と考えていましたが、今回、さまざまな興味深い話を聞いたことで、今後はもっといろいろな分野に興味を持ち、幅広い知識を学んで将来の医療を支えていける医師をめざしたいと思っています。

人の命を助けることにつながる生命科学を学びたい

熊本県立熊本北高等学校(M・T)

私は、学校の課題研究で腎臓のしくみや構造について研究していて、最先端生命科学講義に興味があったので参加しました。どの講義もとても面白く、興味深いものばかりでしたが、その中でも印象に残ったのは、清水達也教授の「再生医療の最前線~細胞シートを用いたティッシュエンジニアリング」です。
私は将来、薬剤師になって腎臓病を治す薬を開発したいと思っています。そのためにも、腎臓を使ってたくさん実験する必要があります。しかし、本物の腎臓を使うわけにもいかないので、この細胞シートでつくられた腎臓を利用することができると思いました。
また、将来的に「臓器ファクトリー」が実現すると、アメリカやヨーロッパの諸外国と比べて格段に少ない臓器移植数を増やし、それにより今までは救えなかったたくさんの命を救うことができると思いました。
生命科学は、人の命を助けることにつながるので、私も大学に行って学びたいと思います。

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