公益財団法人テルモ生命科学振興財団

中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

「サイエンスカフェ2019」レポート
講義と3つの実習、
他県の高校生や大学院生たちとの交流を通して
これからの進路が見えてきた2日間

実習2
大動物実験室見学・実習(超音波診断装置操作体験・縫合体験)

先端医療技術の研究開発では、実際にヒトで新しい治療技術を用いた治療を行う前に、ブタなどの動物の疾患モデルで前臨床試験を行い、安全性や有効性を確かめる必要があります。そのための施設が「大動物実験室」です。実験用のブタが飼育されており、実験に使う手術台やCT、超音波診断装置などが設置されています。

今回の実習では、超音波診断装置の操作と医療現場で実際に行われている傷口の縫合処置を体験しました。

超音波診断装置の操作

この実習は1日目に講義を行った清水先生が直接指導にあたり、超音波検査の原理についてわかりやすく解説してくださいました。
人間には聞こえる音と聞こえない音とがあり、周波数毎秒2万ヘルツ以上の人間には聞こえない音が超音波です。音は反射する性質があり、超音波を送受信する医療器具(プローブ)を身体に当てて、組織からの反射(エコー)を二次元または三次元の映像にし、診断に役立てようというのが超音波検査です。
先生から操作方法を教わったあとは、水溶液で満たされた容器の中に入っているスポンジの形を当てるクイズに挑戦します。フタがしてあり外からは見えないので超音波診断装置を使って何が入っているかを当てるのです。プローブを動かしながらモニターに画像を映し出すと、クルマや飛行機、カニなどの形があらわれます。自分が探し当てた画像をプリントアウトし、実習の記念に持ち帰りました。

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皮膚の擬似モデルを使った縫合手技を体験

医療現場で創傷に対して実際に行われている処置を模擬体験する実習では、実際の皮膚の感触や傷口が開いている様子が再現されている皮膚の擬似モデルを使います。
外科医が実際に使う清潔な手袋を装着して作業開始。開いた傷口を手術用の縫合糸で縫い合わせ、糸結びに。結びが弱いと傷口が塞がらないし、きつく締め過ぎても引きつってしまいます。ピンセットを使っての縫合体験なので普通の裁縫のようにはいかず、生徒たちは四苦八苦。真剣そのものの表情で取り組んでいました。

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