森下泰記念賞 第5回(2025年度)受賞者

大阪医科薬科大学 医学部 外科学講座 胸部外科学 教授
大阪医科薬科大学病院 小児心臓血管外科 診療科長
根本 慎太郎(ねもと しんたろう)

略歴

1989年
新潟大学 医学部医学科 卒業、医師免許取得
1989年
東京女子医科大学 日本心臓血圧研究所 外科 入局(研修医、修練医)
1995年
東京女子医科大学 日本心臓血圧研究所 循環器小児外科 助手
1997年
米国Medical University of South Carolina 循環器内科 Postdoctoral Research Fellow
1999年
米国Baylor College of Medicine 循環器内科 Postdoctoral Research Fellowおよび専任講師
2001年
東京女子医科大学 医学博士号 授与
2002年
豪国Royal Children’s Hospital Senior Surgical Fellow
2003年
京都大学大学院 心臓血管外科 助手
2005年
マレーシア国National Heart Institute Senior Surgical Fellow
2006年
大阪医科大学 外科学講座 胸部外科学教室 助手
2006年
大阪医科大学 外科学講座 胸部外科学教室 講師
2009年
大阪医科大学 外科学講座 胸部外科学教室 准教授
2014年
大阪医科大学附属病院 小児心臓血管外科 科長
2014年
大阪医科大学 外科学講座 胸部外科学教室 専門教授
(2021年4月
大阪医科大学と大阪薬科大学が統合し「大阪医科薬科大学」創立)
2021年
大阪医科薬科大学 医学部 外科学講座 胸部外科学 教授(現職)
2021年
大阪医科薬科大学病院 小児心臓血管外科 診療科長(現職)

(2026年3月現在)

業績名

自己組織修復を誘導する新機軸の心・血管修復パッチの事業化

受賞理由

根本慎太郎氏は、小児の先天性心疾患治療における未充足の医療ニーズ解決に挑戦し、医師主導で心・血管修復パッチの実用化を達成しました。このパッチは、伸展性と自己組織再生を促す足場機能を兼ね備え、成長に伴い拡大する小児の心臓サイズに追従できるため、再手術回避の可能性が高まり、医療経済性の向上に加え、身体的・心理的負担の軽減を通じた患者QOLの向上に資するものと期待されます。これらの機能は、国内の老舗企業が培ってきた「経編技術」という強度と伸展性を両立させる技術と、大手医療素材メーカーの製造技術・製品化ノウハウの融合により実現したものです。臨床医として得た現場ニーズと、その解決に向けたアイデアを新機軸として、産業界や公的機関を含む多様なステークホルダーを結集し、産学官・医工連携の中心となってプロジェクトを牽引して実用化へと結びつけたことは、現場ニーズ起点の開発におけるロールモデルとなる成果です。

また、米国・欧州など海外展開への取り組みも開始され、日本発の技術として普及拡大が期待されるとともに、他の疾患領域への適応拡大の可能性も有しています。さらに、本開発経験を活かして、国内における新規医療機器の開発支援の取り組みを開始しており、今後の医工連携発展への貢献が期待されます。

以上の実績及び将来性が高く評価され、“医⼯連携‧融合領域において顕著な業績を上げ、その将来が期待できる⽅を顕彰する”との森下泰記念賞の趣旨に相応しい研究者として本賞の受賞に至りました。